餅との出会い

嫁さんに影響されてか、嫁さんと暮らすようになってから餅が好きになった。前は味がなくてアゴが疲れるだけの食べ物だと思っていたのに、急においしいと思えるようになった。
これは僕にとって大いに不幸と言えよう。なぜなら、餅を喉に詰まらすという風物死が他人事でなくなってしまったからだ。噛む力、飲み込む力がなくなっても餅は食べたい、だが食べたら死ぬ危険がある。食べなければいいけど、食べたい誘惑を断ち切らなければならない。
複雑な気持ちだ。これなら餅を一生知らずにいれば良かった。だが、餅を一生知らない人生と、餅を楽しめる人生が選べるなら、どっちを選ぶんだろう。