岡山に行ったときだった。帰途につく前に、嫁さんのご実家の最寄駅にあるキヨスクで何か飲み物を買うことにした。その時は青春18きっぷで12時間在来線の旅をしていたし、さらに真夏ということもあって水分の確保は絶対なのだ。
そこで、珍しい飲み物を見かけた。それがブルボンの「すっきりおいしいアイスココア」だった。500mlペットボトルのココア飲料というあまり見かけないタイプの珍しいもので、僕は目を引かれた。だが水分を手っ取り早くとるならスポーツドリンク系のものがいいだろうという判断で、その場では買わなかった。初めて見たが、新商品できっと関東でも買えるだろう。
それが失敗だった・・・これがどこへ行っても見つからないのだ。探しあぐねる僕を見かねて、嫁さんがブルボンの『牛乳でおいしくつめたいココア』という代替の缶飲料を買ってくれたりした。僕はそんな嫁さんの優しさで99.999％満足した。だが心のどこかにある0.001％の隙間が埋まらないのだ。
そしてあれからだいたい2年くらいたった2014年夏、その隙間は埋まった。近所で何気なく立ち寄った100円ショップにそれがあったのだ。
うまかった・・・味がどうこうじゃなく、それ以上の感動があったのだ。2年間僕とともに苦しみ、僕と痛みを分かち合ってくれた嫁さんには心から感謝したい。
