メイド喫茶初体験記

Mixiでした結婚の報告を見た高校時代の友達が、じゃあ久々に会おうということになり、約5年ぶりの再会をしました。そんでなぜか秋葉原に行きました。当時よく遊んだ場所だったからなぁ。当時とは全然違う姿になったアキバで、昔とは違う遊び方をしようということで、まあやっぱりメイド喫茶だろうということになり行きました。嫁さんも同伴です。

まず入ると、お帰りなさいませご主人様(お嬢様)と言われる。メイドさんが席まで案内してくれる。そんでメニューを説明してくれる。
こうやって見てると、あれ?なんだか最初のあいさつ以外は普通の喫茶店じゃね?って気がしてくる。でもなんだろう、なんかそこにいるだけで変な笑いがこみあげてくるんですよ。嬉し笑いなのか照れ笑いなのか苦笑いなのか、とにかく笑わずにはいられないっていうか。そりゃまあ、初心者のくせに真顔でメイド喫茶行くのもそれはそれで不気味ですけど。
ご注文が決まりましたらそこのベルを鳴らしてくださいと言われた。おすすめはメイドさんがふりふりしてくれるみっくすじゅーちゅだと言われたので、じゃあそれでと頼んだ。友達はビール、嫁さんはメロンソーダを頼んだ。
僕のみっくすじゅーちゅは、シェイカーの中に入ってやってきた。するとメイドさんが、私の後に合わせてくださいと言って、ふりふりとかもえもえとか言うので、僕らもそれに合わせてふりふりもえもえと言った。言ってるうちにだんだん気持ち良くなってきた。ちょっと声が足りなかったですねーと言われてしまった。
ストローは今日の気分の色を選んでくださいというので、黄色を選んだらなんとかかんとかのもえもえイエローみたいなことを言われた。毎日変わったりするのだろうか。

これは、なんというのか、一種のヴァーチャル体験だ。二次元の世界を三次元化した、一種のゲーム感覚だ。メイドさんたちは、無条件に尽くしてくれる。写真だって一緒に撮ってくれる(※別料金です)。これはハマってしまう人がいるのもなんだかうなずける。これは想像以上に楽しいものだ。チヤホヤされるのって、すごく気持ちがいいものだから。
これは何かに似ている気がするのだが、あれだ、献血だ。あれはいいよ。ほんとに、ドナー様は神様ですって感じで、職員の人たちがチヤホヤしてくれる。メイド喫茶にハマる人と献血にハマる人の心理は、根底のところでは一緒なのではないか……こんなこと書いたら、石投げ込まれそうだ。
嫁さんは、理系で男社会になじんてきた人だから、かわいい女の子が大好きという実に男らしい思考の持ち主なので、かわいいメイドさんたちを眺めて楽しめたとのことだった。ただ、高い。入場料で700円飲食代と別って…。その点だけは、嫁さんに、今節約中なんだからほどほどになさいとたしなめられた。メイド喫茶は、社会勉強の一環かストレスの適度な発散以外では常用するものではない。いい大人が、メイド喫茶に入り浸るのはよしとくのが吉だと思った。
今更ながら気づいたけど、いらっしゃいませがお帰りなさいませで、ありがとうございましたがご主人様のお出かけですなんだね。つまりこれは、ここはあなたのおうちですよ、私たちはあなたをいつでも待ってますよという演出なのだ。ニクいね。泣かせるね。宝くじでも当たったら、また来てもいいかなとは思った。