創作です2 ピタゴラスイッチ

「あえて飾る」の巻き


「百科おじさーん、お腹空いたー」
「オヤツ!タベタイ!」
「おお、ピタとゴラ。ちょうどよかった。知り合いからみかんをおすそわけしてもらっての。みんなで食べようか」
「やったー!」
「ミカン!ヤッター!」
「こたつに入って待ってなさい」
「「はーい」」
「百科おじさん、こたつの光ってなんで赤いの?」
「アカイ!アッタカイ!」
「ほっほっ、実はの、その赤い光はただの飾りなんじゃ」
「え?どういうこと?」
「ドユコト?」
「こたつは、赤外線という目に見えない光であったかくしているのじゃが、それだけだと目に見えないからあまりあったかく感じない。そこで、わざわざ赤い光を照らすことで、見るからにあったかいと感じられるということじゃ」
「そうなんだー」
「アカイ!エライ!」
「このように、あえて飾っているものは、他にもいろいろある」
「どんなものー?」
「オシエテ!オシエテ!」
「詳しくはわしの303ページに書いてあーる」
「「じーーー・・・子供だから、読めませーん」」
「はっはっは、しかたがないのう。ではテレビのジョンを呼ぼう」
「「テレビのジョーン!!」」
ファッファッファッファッファッファッファッファーファッ・・・ファーファ
「ワンワン!お呼びですかー」
「テレビのジョン、わざわざ飾っているものを、いろいろ教えてくれたまえ」
「ワンワン!りょーかーい」
「「ピッ!!」」
ホーワホワホーワホーワホワホーワファーーー

「ここは、くじの抽選会場。賞品の車はとても大きいので、当たってもその場で渡すことができません。また、車のキーは小さいので、キーを渡しても会場が盛り上がらなくなってしまいます。そこで、使うことはできませんが、あえて大きなキーの飾りを作り、それを代わりに渡します。こうすることで、会場が盛り上がるのです」
「ここは、こんにゃく工場。こんにゃくには、ひじきの粉末を入れますが、実はひじきはただの飾りなのです。昔のこんにゃくは、作る過程で黒い粒が出来てしまいましたが、今は技術が上がって黒い粒は出なくなりました。しかし昔からこんにゃくに慣れ親しんでいる人たちには、黒い粒がないとこんにゃくらしくないということで、あえてひじきで飾り付けをしているのです」
電気自動車は、電気の力で動く車で、普通の車に比べて大変音が静かです。しかし、静かすぎるために、近付いてきても歩いている人が気付かないことがあります。そこで、ゆっくり走るときは、自動的にあえて音を鳴らして、近付いていることを知らせるのです」

「わかったかな?このように、あえて飾っているものは、いろいろあるんじゃ」
「へー、そうなんだー」
「オモシロイ!」
ププププーーーブロロロロロロロ
「みなさーん、みかんを持ってきたでスー」
「おお、スーありがとう」
「どういたしましてでスー」
「おお、ここにも飾りがあるぞ!」
「みかんにも?」
「ドコ?ドコ?」
「みかんのネットが赤いのは、みかんの橙色を引き立てて、おいしそうに見せるための飾りも兼ねているんじゃよ」
「わー、やっぱり飾りはすごい!」
「スゴイ!スゴイ!」
「じゃあ、みかんを食べるとしようかの」
「「わーい!!いただきまーす!」」
「ワン!ワン!」