今日のおひさ 2020/6/29

泌尿器科

一週間くらい前から、どうにも右の玉に違和感があって、立ったり歩いたりしていると痛いとまで行かないけど何やら腫れているような感覚がある。そんなわけでこの一週間は何をしていても気が晴れず、食事もろくに喉を通らず大好きなカレーも4杯(大盛り)しかおかわりできない体たらくだった。いや食欲はあったんだけどね普通に。

でもこの梅雨空が、僕の心にかかる晴れない雲を表しているようだった。不安は人を詩人にするね。というわけで、本当に久しぶりに泌尿器科に行った。前回は9年前だったかな。そのときも本当に同じような感じだった。その頃子供もいなかったから、もし何かあったら私達は子なしと当時の嫁さんもひどく狼狽していたような気がする*1

結局そのときは、デスクワークのしすぎで下半身が張っているんでしょうとかなんとかって診断でいたってそっちは正常だった。今回もそんな感じだと信じたいが。なんせテレワークもやってるし。

来たくなかったが泌尿器科に来た。この門をくぐるときは、底に竹槍が仕掛けてあると分かっている罠にわざわざはまりに行くような気分に決まってなる。たかだか人生で二回目だろと言われると思うが、いやハッキリ覚えてるよ一回目の不安な気持ちはこんなだったって。

順番が来た。見てほしいけど見てほしくない、乙女が書いたラブレターみたいな気分だった。これも9年前と同じだ。ベッドに横たえ、タオルを下半身にかけられ、ズボンとパンツを膝まで下ろした状態で待つ。横で日立製のエコー検査機が唸っている。5分くらい待っただろうか。こんな不安な5分なかなかない。尿検査をしているから、所見の有無も出ているはずだ。

先生が来た。尿に異常があったのかどうか、先生の表情からは何も読み取れない。さすがその道のプロだ。いや読み取れるほうが凄いか。

先生がおもむろに触る。何十年も何万個もの玉という玉を調べてきたプロだろうから扱いに何も問題ないと分かっていつつも、こわばらずにはいられない。9年前は過呼吸に近い状態になっていた。今このご時世でマスクをしているから、先生には悟られないと思うから思い切り歯を食いしばる(ちなみに触られても全然痛くなかった)。

なんか冷たいものを玉を始め股間に塗られ、エコーで調べてくれた。正直冷たくて気持ちよかった。それはいいんだが、先生見てくれているあいだ、うーんと言ってて、それってどういう意味のうーん?かわからなくて、気付いたら3か月後くらいになってたらいいなと願いたくなった。

特に異常はないですねということだった。その言葉しか待ってなかったからこれ以上の幸せはない。

先生「可能性としては」

可能性???

「年単位の話ですけど、脱腸して、将来的に圧迫していく可能性。もうひとつは、細菌で炎症を起こして腫れていく可能性。脱腸というのは、腸が出来たときの通り道があって、通り道は股間とつながっていて、脱腸することで圧迫されるんですね。まあ炎症を起こして腫れるという人がほとんどですから、効くかどうかはわかりませんが、今抗菌薬を飲んでその可能性を潰すという選択があります」

僕は異常なしという言葉以外を求めていなかったのだが、たしかに異常がないのに違和感があるのに変わりないから、事の大小はともかく何かしらの原因があるということをすっかり忘れていた(異常や原因がないのに違和感があるというのはそれはそれで不気味だわな)。せっかく僕の人生で数回の泌尿器科の先生のお言葉なので有り難く謹聴し、仰せに従い抗菌薬を処方していただく運びとなった。

細菌のほうは薬でどうにかなるらしいが、脱腸とかなると手術しか治す手立てがないので、そこは様子を見るしかないですと言われて、まあそうですよねと言うしかなかった。アシスタントさんの、忘れ物に気をつけてください、お金は置いていってもいいですけどというアシスタントギャグに笑いつつ、来たときより100京kgほど軽くなった足取りで帰る。

https://homecomputer.hatenadiary.jp/entry/20110624/1308879201

前回の記録があった。ほぼちょうど9年前だった。

*1:嫁さん談:そんなに狼狽してないよ。軽く考えていた