ゆで卵を生卵に戻す研究をしてまして

覆水盆に返らずとは、昔の人はずいぶん思い切ったことを言ったものだ。もしとんでもない技術が開発されて、ひっくり返った水がコップに戻ったら、それはある意味ひとつの歴史の崩壊だ。今まで取り返しのつかない場面において「覆水盆に返らず」という表現を使ってきた人々の歴史はすべて水泡に帰すことだろう。
しかし何千年も前に昔の人は言い切ってしまった。科学的な根拠を内包した実に興味深い故事だと思う。僕だったら、もしかしたらと思って言い切るのをためらってしまうと思う。昔の人に言い切らせたのはなんだったのか。叡智なのか。勇気なのか。とにかく僕には何か物事を言い切る勇気が足りていないと思った。
こんなことを考えるに至った経緯:先週の月光条例をふと思い出す→フルーツポンチを逆さにしたら→全部こぼれちゃう→覆水盆に返らず