秩序

駅のホームの階段には、上り口と下り口がある。ホームに向かう階段が狭くなっているのは、出口や乗換口に向かう階段と違って、目的地がホームしかないからだ。しかしそうは言っても、急いでいるとつい広いほうの階段を使ってしまいがちだ。
それは、ちょっとした違反行為かもしれない。しかし、そのちょっとの違反がなければ、本来のルートはさらに混雑を極めることだろう。
とんだ屁理屈かもしれない。しかし、世の中は悪があるから秩序が保たれているところが多いと思う。みんながルールを守るのが本来の社会のあるべき姿なのかもしれないが、しかし現実はそうなっていない。

学力だって、みんながみんな成績優秀なのが理想形かもしれない。でもそれじゃやっぱりダメなんだろう。バカなやつがいてこそ、天才が成り立つ。みんなが東大に入れたら、東大の価値はなくなる。
いったいどこまで人間を管理し、整列させていけばいいのか。最終的には、それは個人の裁量にゆだねるしかないのだ。