アホかあれはテレビジョンだ

学駅伝の選考会で、出場校を読み上げる女性の声を聞いてて、どこからともなくふつふつとイライラが湧きあがってくるのを感じる。号外を配ってる人とか、勝訴の紙を持って走ってくる人とか、チアガールにも同じ感情が生まれる。あの自信満々で誇らしげな感じが癇に障るのだろうか。
きっとこれらは、どれも別に必要のないものにエンターテインメント性を持たせてるそのムダさにむかつくのだ。出場校だって、画面か紙にパッと表示すればいいのに、もったいぶったように間延びした声で大学の名前を読み上げる。号外だって、その辺にご自由にお取りくださいと置いときゃいいのに、お祭り騒ぎの仕掛け人ヅラして号外を配る。
チアガールはその存在自体必要性を感じない。チアガールに何か恨みがあるのかと言われたら、ある。大学の卒業式で、チアガールのメンバーらしき人が表彰されて、壇上に登った時、ファイトー!!というチアガール的黄色い声援が飛んできた。会場はド寒い空気に包まれた。あの!空気の読めない感じ!自分が気持ちいいからやってるだけってのが伝わってきて腹が立つ!
世の中なんでもバラエティ番組みたいにしようとする!ニュースだって、あの古館さんの思わせぶりなしゃべり方とか!どいつもこいつも、簡単に安っぽい感動やウケを狙おうとする、その根性が許せない!!

しかし僕も、一度着ぐるみを着て客引きをしたことがあるのだが、あれは確かにすごく楽しかった。ただ動いているだけで、キャーキャーと人が寄ってくるのだ。しかしそれは、僕自身の魅力ではなく、単にぬいぐるみが動いていることに対してみんな興味を持っているに過ぎなかった。僕だって同じ穴のムジナだ。あの時の僕は、着ぐるみに魂を奪われた操り人形でしかなかったのだ…