第459号 誘拐者…の巻き 1コマ〜10コマ 全コマ解説

僕がひそかに1992年〜2002年くらいまで描いてた漫画があり、えんぴつやクレヨンとかで書かれているので保存状態が危うい。それを電子文書化するという試みの一環。
これは、1998年夏ごろに描かれたと思われる漫画。
この頃から話の内容と関係のないタイトルをつける素直じゃない習慣がついていた。

1コマ:「今日が、何の日か、わかってるんだろうな?バアさんよ?」と詰め寄るやくざ風の二人。
2コマ:「いやァわかってるよ」と返す、サザエさんのようなカツラをつけた熊五郎型のキャラクター。
3コマ:「出来たんだなァ9万9千ドル…」とコワモテのやくざ。それに「あのデブ食欲だけじゃなくて強欲もあるんだな」と返す熊五郎型キャラ。作者はアメリカンジョークを言いたかったようだがいまいちキマってない。
4コマ:「そんなセリフは払うもん払ってからほざくもんだぜ!」とやくざ。なぜかセリフとほざくという言葉に傍点が付いている。やたら傍点をつけたがるのはおそらくスティーヴン・キングジョジョの影響。
5コマ:「それが、今ないんだ!」と返す熊五郎。無駄に神々しい集中線が熊五郎を照らす。
この1〜5コマは、作者がこのころ読んでたゴルゴ13の、妙にツボにハマった「疫病神の道標」という話がもとになっている。これ以降も、だいたいその話を剽窃したような構図の話となっている。
5コマ目の次は、タイトルコール。4コマ程度の寸劇のあとにタイトルコールを挟むのがこのころのこの漫画のスタイルだった。「第459号 誘拐者…の巻き」と書かれたテロップの下に、「ボエー」と言っているテレビを前にたそがれている熊五郎の図。テレビにはゲーム機がつながれており、砂嵐が映っている。この構図には何かしらの元ネタがあると思われるが、もはや思い出せない。
5コマ目までは寸劇。ここからが本編。基本的に寸劇と本編につながりはない。
6コマ:突然「ビイイイイイ」とトゲトゲ吹き出しの大音量で鳴る何か。それに対しトトロは「ん」と軽い反応。
7コマ:トトロは「とんかつ丸八」と書かれたポケットティッシュを手に取る。どうやらそこからその音は出ていたようだ。とんかつ屋の名前は、当時よくおじいちゃんが行ってた大井町にあるお店。よくとんかつのお土産を買ってきてくれた。
8コマ:ボタンも何もないポケットティッシュを「ピッ」と口で言って押すトトロ。すると音は鳴りやむ。
9コマ:そのポケットティッシュを耳に当て、「はいもしもしルウです…」となぜか偽名を使って喋り始めるトトロ。なんとそのポケットティッシュは、携帯電話だったようだ。これは明らかに、ジョジョに出てきたドッピオというキャラクターのパロディである。そのポケットティッシュが本当にポケットティッシュ型の携帯電話だったのか、トトロが脳内の人物と話しているだけなのかは判然としない。
10コマ:「え?」と軽く驚くトトロ。作者は、安っぽいドラマの電話のシーンによくあるような、電話で喋ってる人物が電話口の向こうの相手の話をわざわざ繰り返すのが不自然と非常に嫌っていたので、この漫画の電話のシーンはごくごく淡白である。