第459号 誘拐者…の巻き 11コマ〜17コマ 全コマ解説

そもそもなぜ第459号を取り上げたのかというと、この話はちょうど100コマであるということからキリがよく、たびたび頭の中で話の展開(展開らしい展開はないが)が繰り返され、ちょっと油断すると鼻歌のようにセリフを口で脳内で再現してしまっている。そこで一回、冷静にその話を分析して、そのループを断ち切ろうという意味でも今回のような試みを行った。肝心の漫画本編を載せずに解説のみ行うという暴挙に出たわけだが、これは自分が読み返すためと思考を整理するだけに書き残しているだけなので、一般の方はきれいさっぱりスルーしていただいて構わない。

11コマ:「グオオオオ」と目を開けたままだらしなく寝るポート。鼻からちょうちんを出し、270度くらい開脚している。
12コマ:突然、寝ているポートの顔面に「バチコーン」という擬音とともに振り下ろされる木の板。ポートは「むっ」と軽いリアクション。擬音が少々古いように感じる。
13コマ:叩き起されたポートの手を「来るんだ」と言って引っ張るトトロ。言うまでもなく、ポートの顔面を板でしばいたのはトトロだ。当のポートは怒るでもなく、板の跡が赤くついた自らの顔を「かっこわるいメイクだ」と評する。
14コマ:「ガチャン」と、何かレバーのようなものをひねる手。おそらくトトロの手と思われる。このレバーは、わかりにくいが、電車のマスコンと同じものだ。
15コマ:電車のスピードメーターのようなものの上に、40、55、75、90と数字の書かれた表示板があり、そのうちの「75」が「チンッ」という音とともに灯る。これは車内ATCを表しているようだ。トトロは電車を操縦して出発するつもりなのだろうか。
16コマ:後ろにポートを乗せ、「キイイイイイイイン」と恐ろしい勢いで自転車を走らせるトトロ。ポートは「もしもしロブソンさん!」と意味不明な言葉を発している。トトロが走らせているのは、マスコン制御による自転車のようだ。ハンドルとコントローラーを同時に使いこなすのは至難の技に思えるが。ポートが発しているセリフは、前述のゴルゴ13の「疫病神の道標」に登場するルウ・ブラドックという登場人物のもの。話とセリフはなんの関係もない。
17コマ:煌々と照る太陽の下、雄大な山々の向こうに一直線に伸びる道路を走り抜けるトトロたちの自転車というダイナミックな風景。トトロたちの家は、この時点では荒野のど真ん中という超辺鄙なロケーションに建っているという設定になっている。