分銅

嫁さんと、人それぞれに謎の笑いのツボがあるよねという話をしていた。嫁さんは、「ノリさん」と吹き出しで叫んでいるAAがなぜか笑いのツボだという。
僕にも何かツボはあるかなと考えて、あれかなというのを思い出した。
中学時代のある日、理科の実験があったのだが、その日は天秤を使う授業だった。天秤は、分銅を素手で持つと錆びたりして重さが変わるからやってはいけないと教わるが、その実験室の分銅は、通常ケースとかに丁重に入れられるはずなのに、ただの紙箱にぞんざいにどっさりと入れられていたのだ。僕はその時点で笑いそうになった。さらに、通常はピンセットで丁寧につまむものなのに、その箱の中にスプーンが突っ込まれているのだ。これがまたおかしくてたまらず、笑いがこみあげて仕方なかった。
僕は笑いをこらえるのに必死だったが、友達がとどめを刺しに来た。スプーンに分銅を取って、僕のほうに差し出し、
「○○(僕の名前)さん、今日のごはんは分銅よ」
せきが切れた。僕は爆笑した。
嫁さんはこの話はツボにはまるのだろうか。