第459号 誘拐者…の巻き 18コマ〜24コマ 全コマ解説

18コマ…着いた先で、トトロとポートを出迎えるコワモテの二人。その二人は、1〜5コマに登場したコワモテの二人に酷似している。「お休みのところ恐縮です、ルウ所長!」と見た目に反して丁寧にトトロを出迎える長身の男。ルウと呼ばれたにも関わらず「いやどおも〜」と返すトトロ。ポートは「ルウ?」と不思議そうに聞き返す。ずんぐり体型の方の男はポートを見て「お母様ですか」と聞く。ポートはトトロの母親(のような存在)という設定になっている。本当に母親なのかどうかは非常に疑わしい。
19コマ…「こちらです」と長身の部下に施設の奥に案内されるトトロ。「すみませんねぇ〜」と言いながらクネクネとついていくトトロの姿は、所長と呼ばれる器には到底見えない。トトロは、無駄にいろんな分野で幅を利かせている(警察署長、デパートの管理人など)万能キャラということになっている。
20コマ…エレベーターに乗ったトトロ。「4」階の数字板が「チィーン」と灯り、「フッフフフ…」と不敵に笑う。
21コマ…エレベーターが開くと、そこには壁に四角い小さな扉つきの穴があり、扉には取っ手がついている。それを見て「開通ですかぁ〜ケーブル」と言うトトロに「はい」と答える部下。
22コマ…「実験台がおります」と、片腕で熊五郎型のキャラクターを抱え、そののど元にナイフを突きつけるずんぐり体型の部下。熊五郎型キャラは「ゲッヒヒヒヒ」と不気味に笑っている。この不気味なキャラクターは、作者のストレスのはけ口としてよく殺されるスケープゴートのような存在。熊五郎がかつて(今の作者の目から見ると)生意気で腹立たしい存在だったことから作者が血祭りに上げ、そのなれの果てがそのキャラとなったという説がある。
23コマ…「いやあーその必要はありませんや なあ母ちゃんちょっと…」と、部下の提案を断りポートの方を振り返るトトロ。ポートはぽかんと自分を指さしている。
24コマ…「この中に入って」と半ば強引にポートをケーブルと呼ばれる四角い穴に押し込むトトロ。ポートは無抵抗に穴の中に入っていき(自分から入っているようにも見える)、「とと!大変な荒れ模様ですな!」とよくわからないセリフを発している。このセリフも例によってゴルゴ13「疫病神の道標」のキャラクター、ルウ・ブラドックのセリフからの引用だ。二人の部下はその光景を驚いたように眺めている。