「テレワーク」
あるソフトをインストールして、インターネットを使い、自宅から会社のパソコンを遠隔操作するというのだ。
まるで夢のような話だが、自宅で会社のパソコンと同じ画面が現れたときは、まず一言目に「すごっ」よりも「きもっ」となった。
でもただの飾りの画面の可能性もある。試しに、メールを送ってみる。
反応が返ってきた。やっぱり本物の画面なんだ。怖い。なんだか現実味がない。まるで、会社の人達と同じ知能を持ったAIが住んでるネット上の村で、本人とはまったく別の意志を持ったAIが回答しているかのような錯覚を覚えた。部長が試しに会社側で見た感想は、透明人間が仕事をしているようだったそうだ。
とりあえず、感想を。
・なんせ自宅だし、通勤時間がないし、環境としては最高に快適。4歳児相当の重量が膝にのしかかってこない限りは。
・なんせ会社の内線を取らなくていいし、会社の人が話しかけてきたりしないから、作業に集中できる。4歳児相当の重量が肩によじ登ってこない限りは。
そう、今まさに好奇心真っ盛りのヒトの子が、テレワークをする上で唯一にして最大の壁なのです。しばらく大人しくして遊んでくれてるな、と思ったら、1時間に1回は飽きがきて、構ってほしいと寄ってくる。
そりゃそうだよね。せっかく親がいるのに、パソコン前にしてずっと何やら神妙な顔してたら、邪魔もしたくなるよね。申し訳ないことしてるよ。だからね、せめてね、髪の毛引っ張るのはね、カンベンしてよね。最近生え際気になってきてるのよね。そんな中僕のネーチャンが、少し早いが息子の誕生日プレゼントに、amazonのFireキッズタブレットとかなんとかという神器を遣わしてくださるらしい。おおこの混沌の地にどうか平穏をもたらしたまえ。
あと他に感想としては
・昼飯が慌ただしい。家族3人もいるとレンジが激込み。あったかいもん食えるのは幸せではあるが。
・パソコンに常時張り付いているので、誰より先に情報を飛ばしがちになる。それによって起こる向こうの混乱を想像すると申し訳なくなる。
・意外と忙しい。もちろんそりゃ忙しいに越したことはないのだが、仕事のペースが掴みにくい。
・現場に出てくださっている方があってこそのテレワークなので、こちらも一応仕事ではあるものの、いいのかなあこれでという気持ちは拭いきれない。だがこれ癖になっちまうと、もう二度と会社いきたくねえってなっちゃう。それくらい、いいことしかない。テレワークできるなら、みんなかわりばんこでもいいから、するべき。だって宅急便とか午前でも受け取れるんよ。ヤマトさんもぜったい大助かりよ。あと通勤しなくていいのよ。そのぶん寝てられるのよ。
ただなんかトラブルが起きたのがわかっちゃうと、あこれ何か言われるやつだ、という気持ちを次の出勤まで引きずらなあかんのはちとつらいかな。
まあいろいろ考えても今のところほぼメリットしかないなという感じでした。会社の情報を自宅で操作してるって重みを忘れてはいかんのだけどね。