息子、1人で寝る

 事の始まりは、僕が5/6のゴールデンウイーク最終日、花粉症も終わりを迎えていたはずなのに、喉と鼻に違和感を覚え始めていたときだった。
 まだこの時期だから花粉の残党にでもやられたのかもしれないと適当なことを考えていたのだが、喉はイガイガするし、鼻の奥がムズムズして、不快なことこの上ない。
 ダリーなーと思いながら5/7(火)は出勤したのだが、5/8(水)になると症状は軽くなるどころか、なお悪くなっていく。
 5/8(水)は、学校の用事があってもともと午後半休にすると決めていたので、午前中で会社を上がったが、体調不良で早退したような気分だった。せっかくだからと学校の用事が終わったらそのまま病院に行ってしまおうとなった。
 学校の用事が終わり、きっかり予約時間に病院に着いた。先生に、アレルギーなのか風邪なのかわからないと聞いたら、先生に、私もわからない(意訳)と言われて、そうかそういうものですかとなった。まあこの時期に花粉症は考えにくいので風邪でしょうと、風邪薬を処方してもらった。
 その日の夜、風邪と診断をされたことで、みるみる体調が悪くなっていった。コロナはアレルギーみたいな症状から始まるよとママに言われて、考えたくはなかったのだがこれがコロナなんだとしたらこれまでの症状すべて納得がいくなとなって、ためしに熱をはかったら、37℃近くになっていた。
 あんまりだるくて真夜中に何度か目を覚ましてそのつど熱をはかったら、そのたびに熱は上がっていき、最高で37.9℃まで上がった。これはいよいよ覚悟を決めるしかないと、会社を休んで、発熱外来があってPCR検査を受けられる病院に行くことにした。
 検査を受けた。陰性だった。ただの風邪だった。とりあえず安心した。
 ただ風邪は風邪なので、できるだけ感染を防ぐため、息子から僕を隔離したほうがいいということで、「今は暫定的にママが使っている、将来的に息子のものとなる部屋」に移動してもらうことになった。
 そしたら自分の城を持ったように息子がくつろいでいるので、寝る時間になって、どうせならここで寝てみる?と息子に提案したら、すんなりとそれを受け入れた。
 本当に?と電気を消してしばらく経って様子を見に行ったら、寝ていた。1人で。
 今の今まで、隣に僕かママがいないと寝付けなかった息子が、自分1人で寝たのだ。
 僕の風邪という不測の事態があったからとはいうものの、思っていた以上に息子は成長していた。
 それから今3晩経過したが、息子は自分の部屋を根城にし、寝てくれている。
 これで晴れて、暫定的に息子が使っていたママのベッドが、ママの元に戻ってくることになった。なのでベッドルームは僕とママが使えるようになった。
 これでママが自分のスペースを確保して、精神衛生を少しは向上できるようになるのかと期待できるのでとてもうれしい。
 だが1点問題がある。
 これまで息子は僕かママが隣にいないと寝付かなかったが、1度寝付いてしまうと朝まで起きないので、それはよかった。しかしママは、息子と違って1人で寝付くし、僕のほうに寝返りを打ってこないのでそれは助かるが、僕が少しトイレとかに立ったりしていなくなると、すぐ異常を察知して目を覚ましてしまうので、僕はこれから忍び足と身代わりの術を身につける必要がある。